ごきげんよう!
TRILL開発部のWebを担当しています、maseoです。
この記事は「dely #2 Advent Calendar 2020」19日目の記事です。
dely #1 Advent Calendar 2020 - Adventar adventar.org
dely #2 Advent Calendar 2020 - Adventar adventar.org
昨日は HPdM(ハイパー プロダクト マネージャー)のRiceさんの記事「初心者PdMに贈る「"伝書鳩"が意思を持つために意識すべきこと」でした。
エンジニアはHPdMさんに本当に助けてもらってます。
こんなに色々考えてくださっているのは本当にありがたいです。いつもありがとうHPdMさん達!
さて
今回はTRILLのWebで行っているGoogle Optimize*1を使ったA/Bテストはこんな感じ!というお話を書きたいと思います。
TRILLでは、以下のドキュメントを参考に、Google Optimize JavaScript API を利用しています。
TRILL Webでこの方法を採用している理由は色々ありますが、A/Bテストを行う上でサーバーサイド側の操作がGoogle Optimize上では厳しいとか、テスト内容によってはDBから取得する値を変えたいとか、テスト用の広告を入れたいとかです。
もう少し具体的に言うと、
記事詳細でA/Bテストがしたい!となった時に、URLが記事のID毎に異なっているため、「このタイプの記事はテスト対象……、このタイプの記事は非対称……」なんてことがGoogle Optimizeのビジュアルエディタでは大変そうだな……ってなったからです。
実装
今回は過去に実際に実施したテストを書いてみます。
※仮説の設定とか、テストパターンの作成とかは割愛します。
■テスト内容
新しいモジュールを追加するにあたって、
「どのタイプの表示がいいかな〜?そもそも追加しても他のモジュールに影響はないかな〜?」
を確認したい
■テストパターン
- オリジナル(現行パターン)
- サムネイル小
- サムネイル大
の3パターン
ざっくりこんな感じです。
それでは、早速ですが、実装コードはこちら(ドンっ)
export default class OptimizeUtil { constructor() { this.getElement(); } init() { gtag('event', 'optimize.callback', { callback: (value) => { this.callback(value); } }); } getElement() { this.nextArticleList = document.querySelector('.js-next-article-list'); this.nextArticleItems = document.querySelectorAll('.js-next-article-item'); … } changeClassToSmall3() { // テストパターンの表示を実現する操作 if (this.nextArticleList) { this.nextArticleList.classList.remove(`Articles_List`); } if (this.nextArticleItems) { this.nextArticleItems.forEach((el) => { el.classList.remove(`Articles_Item`); el.classList.add(`Articles_Item-small3`); }); } … } changeClassToBig3() { // テストパターンの表示を実現する操作 … } callback(value) { switch (value) { case '0': break; case '1': this.changeClassToSmall3(); break; case '2': this.changeClassToBig3(); break; default: break; } } }
一部割愛してますが作りはシンプルです。
テストパターン毎に適切な関数を呼び出して、あとはCSSとかで見た目を整えてあげます。
このテスト方法では、Google Optimizeでそれぞれのパターンの効果が見られるのはもちろん、新しいクリックイベントの計測もできますし、
今回は実装されていませんがパターン毎にリンクにクエリパラメータを簡単に付けれたりします。
例えば、Adjustを使ったアプリストアへの送客なんかもパターン毎の計測が簡単です。
また、同じ "記事" だけど、Aカテゴリーの記事ではテストして、Bカテゴリーの記事でテストしない!みたいなこともHTMLの出しわけとかで簡単に制御できます。(トラフィックには影響ない範囲で)
全部まとめて実装できるのも良いですね。レビューなども普段のフローでできるので、安心です。
表示確認
そして見た目はこんな感じになります。(ドドンっ)
①
②
ちゃんと表示が変わっていますね!
あとはテストを見守るのみです。
他のモジュールに悪い影響がないかに注意して日々を過ごします。
テスト終了
時は流れ、
オプティマイズの結果はこんな感じになりました。
差が出てますね。(よかった)
計測データで他のモジュールにもマイナスな影響は確認されなかったので、テストしたパターンは無事採用されました!(よかった)
ただ、このテストはGoogle Optimize上では全ユーザーに出てることになっておりまして、
Optimizeのトラフィックの割り当てを使ってないです。(別途ゴニョゴニョして数%のユーザーをテスト対象としています)
なので、トラフィック割り当てを使う場合は、
テストパターンの対象になっていないユーザーのこともしっかり考える必要があります。
まとめ
ということで、複雑なタイプのABテストも実施できるようになりました。
エンジニアの実装コストなどの問題はありますが、今のところはいい感じに運用できています。
今後もより良いテスト環境が作れるように、そしてしっかりPDCA回せるように頑張ります。
おわりに
明日は akina.m さんの「システム管理者に贈る 運用改善に役立った!AWSの機能4選」です!お楽しみに!( \\ 楽しみ!! // )
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*1:Googleが提供している、A/Bテストを行うツール