こんにちは。
delyでISE(In-house System Engineer)をやっている@_skuwaです。
kurashiru[クラシル]のグロース、プロダクト改善の為の基盤の設計・開発を行っています。
今日はユーザーの検索行動のUXを向上させるために立ち上がった、検索改善プロジェクトについて書こうと思います。
検索機能における、UX上の課題点
- 検索したものの、レシピ数が少ない
- 豚肉、パスタなどの曖昧なワードでの検索時に結果が多すぎる(ユーザーが求めているレシピの割合が低くなってしまう)
- 明らかに不適切なレシピが検索結果に混ざり込んでしまっている
その結果、検索後の離脱率(動画再生せずに直帰した割合)が高い状態になっていました。
課題解決へのアプローチ
delyでは基本的にグロースは開発チームが行っています。
しかし、今回の検索はドメインの専門知識があったほうが質の良い仮説が立てられるということで、調理部などの各部署と連携したプロジェクトが立ち上がりました。
やったこと
- 部署横断での検索改善プロジェクトチームの立ち上げ
- 料理人の方々がPDCAを回せるように、SQLを書かなくても主要なデータ分析を行えるWebアプリの作成(Mondoru)
- Mondoru上でElasticsearchの辞書、シノニム管理
- 数値やKPIのSlack通知
- 検索数が多いのに結果が少ないキーワードを抽出し、レシピを開発
Mondoru
delyではリポジトリ名やアプリケーション名をワンピースのキャラにするという習慣があるので、今回はそれっぽい『シャーロット・モンドール』から名前を付けました。
Mondoruには主に以下の機能があります。
- 辞書、シノニムの追加
- スコアリングの調整
- 上記チューニングでの検索結果をテストする
- Elasitcsearchの管理
- 検索離脱率などの主要データを画面をポチポチして集計、出力する
- データのビジュアライズ
- その日の検索データ速報をSlackへ通知
改善でやったこと、成果
基本的には季節ごとの検索傾向や離脱率を見ながら辞書とシノニムを追加していくことになります。
調整した検索ワードの離脱率と動画再生画面への遷移数の変化を見ながら、ベストな検索結果を探っていきます。
日々の検索データを眺めながらノイズの割合が多いものに関しては辞書とシノニムを活用したチューニングを、検索結果数が少ないものは該当キーワード向けのレシピ開発を行います。
↓検索結果改善によって、検索後に動画再生される割合が急速に増えてきています。
今後の課題
レシピ開発によってニーズのある検索結果を充実させ、辞書やシノニムで検索結果に含まれるノイズを減らすことに成功しました。
ただ、冒頭に述べたように検索結果が多すぎる時にユーザーに刺さるレシピの割合が少ないという問題は解決できていません。データで見ても、具体的な料理名での離脱率は減少していますが一般的な食材名での離脱率はあまり変化が見られません。
そこで、検索関連のユーザー行動データを元にしたサジェスト機能を実装中です。
サジェストには2種類あって、絞り込みのサジェストと置き換えのサジェストがあります。
絞り込みサジェスト
『パスタ』を入力したユーザーに対して、
- 『パスタ トマトソース』
- 『パスタ 魚介』
をサジェストする。
一般的なサジェスト機能です。
キーワードの検索数や、検索結果の件数などを元にスコアリングして表示を行います。
置き換えサジェスト
『豚肉』を入力したユーザーに対して、
- 『豚こま肉』
- 『豚ひき肉』
をサジェストする。
『豚肉』といったカテゴリに近い検索ワードは、サジェストでより細かいカテゴリに置き換えすることで検索結果を最適化できるようにします。
冷蔵庫に『豚こま肉』が入っているユーザーが『豚肉』で検索しようとした際に、『豚こま肉』をサジェストすることで、より最適な検索結果にユーザーを誘導することが可能です。
まとめ
ドメインの専門知識を活かすグロース基盤を作ることで質の良い仮説を立てることができ、『超速』でのグロースをすることができました。
delyではその他にもグロースの質と速度を爆速にする基盤やアプリケーションの開発に投資をしており、Mondoruのようなアプリケーションの開発を多数行っています。
世界最速のグロースに挑戦したいという方、是非応募してみてください!